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XK K110: 初飛行前のチェック

私は 2016年4月に技適付の XK X6 送信機を購入しましたが、XK K110 ヘリコプターは 2015年10月初めに入手済でした。長らく押し入れにしまってあったのですが、ようやくそれを引っ張り出しました。(^_^)


ところで、ヘリコプターは購入直後にちょっとだけ手を入れてありました。キャノピーを外して、受信機ボードと配線の具合を確認したところ、過去記事「XK K110: SoloProFanさんのレビュー _3」にあったように、私の K110 もサーボとテールモーターへの配線に問題がありました。配線が乱れていて、サーボホーンが動くと配線と接触してしまいます。

そこで配線がサーボホーンに干渉しないように整理して、余分な配線をインシュロックでまとめました。

160519_1 配線整理


160519_2 配線整理


受信器ボードのアンテナが曲がっていたので、まっすぐに伸ばしました。

160519_3 配線整理


それだけやって、押し入れに放り込んでしまったのです。(笑)


では、約半年ぶりに、サーボとスワッシュプレートのチェックを行いましょう。

最初に、X6 送信機の電源を入れて、モデルメモリを「へり調整用のモデルメモリ 0」に変えます(過去記事「ハイテック版 X6 送信機: へり調整用のモデルメモリ設定」参照)。
そして、K110 ヘリコプターにバッテリーを接続し、水平な机の上に置きます。

「へり調整用のモデルメモリ 0」のピッチカーブは 0% ~ 100% の直線カーブになっています。送信機のスロットルホールド・スイッチを入れて、モーターが回転しないようにします。スロットルを上げて、出力 50% の位置で止めます。ここがゼロピッチの位置です。

そして、K110 ヘリコプターのチェックに入ります。まずスワッシュプレートの下面に注目し、機体横から見てスワッシュプレートの下面が水平(テールブームと平行)になっているかどうか見ます。次に機体の前後からも確認します。目視ですから正確性に問題はありますが、どこから見ても水平でなければいけません。また、スロットルを上下に動かして、スロットルがどの位置でもスワッシュプレートが水平になっていることを確認します。水平になっていない場合は、スワッシュプレートの調整が必要です。




次はゼロピッチの確認です。再び、スロットルを出力 50% の位置で止めます。下の写真のように、2枚のメインブレードを並行に並べます。

160519_4 サーボとスワッシュのチェック


ヘリコプターの真横から、メインブレードの状態をチェックします。下のように 2枚のブレードがきれいに重なっていれば OK です。スロットル出力 50% の時、ピッチ角度はゼロになっているということです。

160519_5 サーボとスワッシュのチェック


最後にサーボホーンの位置を確認します。スロットル出力 50% の時、ピッチ角度はゼロで、その時 3つのサーボホーンはサーボと直角(水平)でなければいけません。ほぼ 90度なら OK ですが、私の K110 ヘリは 2つのサーボが不合格でした。

左後方のサーボホーンは、先端が上に上がっています。

160519_6 サーボとスワッシュのチェック


右後方のサーボホーンは、ほぼ正常です。

160519_7 サーボとスワッシュのチェック


前方のサーボホーンも、先端が上に上がっています。

160519_8 サーボとスワッシュのチェック


私のスワッシュプレートは一応水平になっており、ゼロピッチにもなっていますが、それはサーボとスワッシュをつなぐボールリンケージの長さを調整することによって、無理矢理水平にされていたということです。

見かけ上は OK ですが、すべての基本である「サーボホーンとサーボ(およびボールリンケージ)が直角」になっていません。これではゼロピッチの時は問題ありませんが、ピッチ角度が大きくなるほどズレが大きくなり、スワッシュプレートの水平が保たれません。

ということで、サーボホーンの調整からやり直すことにしました。 続きます。^^;






XK K110: サーボ・ホーンの調整 _1

最近のマイクロヘリは、ほとんどが箱だし状態で問題なく飛びますので、調整の必要はあまり感じないかもしれません。飛ばしてみて違和感を感じなかったら、調整しなくても結構です。

調整が必要になるのは、ヘリコプターを壊した時です。ヘッドやスワッシュプレート、サーボが壊れた場合は、否応なくパーツ交換と調整が必要になります。

ヘリコプターの調整というのは、ビギナーにとって非常にわかりづらいものです。私も最初は苦労しました。そこで今回は可変ピッチヘリのビギナー向けに、XK K110 ヘリと X6 送信機を例にして、「フライバーレスの可変ピッチヘリコプターの調整」について、少し丁寧に書いてみたいと思います。ヘリコプターが違っても、基本的なやり方は同じです。

なお、調整方法は人それぞれで違いがあります。以下に述べるのは、あくまでも tiger22 流のやり方です。参考になれば幸いです。(^_^)


1.XK K110 ヘリコプターの分解

調整のために XK K110 ヘリコプターを分解します。XK ヘリコプターには小さなドライバーとレンチが付属していますが、今回はドライバーだけで作業ができます。ネジなどが飛んで紛失しないように、タオルなどを敷いた上で作業を行うと良いと思います。

①ヘリコプターからバッテリーを外して、送信機の電源を切って置きます。

160521_1 ヘリ分解


②スワッシュプレートとローターヘッドをつなぐ 2本のボールリンケージを外します。指で外しても良いのですが、力を入れすぎてスワッシュプレートのボールの根元が折れたことがありました。以来、自作のボールリンケージ・プライヤーを使っています。これはブラウンさんに教えていただいたのですが、とても便利ですからオススメです。

160521_2 ヘリ分解


③シャフトに固定しているネジを外し、ローターヘッド全体をシャフトから引き抜きます

160521_3 ヘリ分解


160521_4 ヘリ分解


④スワッシュプレートから 3本のボールリンケージを外し、メインシャフトからスワッシュプレートを抜き取ります。この時も自作のボールリンケージ・プライヤーを使用します。念のため、どのリンケージがどのサーボについていたかわかるようにするため、リンケージの片方はサーボホーンにつけたままにしてあります。

160521_5 ヘリ分解


⑤3つのサーボを上から固定しているプラスチック部品(Servo plate group)を外します。

160521_6 ヘリ分解


ところで、リンケージを外してから気づいたのですが、リンケージの穴のあいたプラスチック部品にはボールにはめ込む方向が決まっていないのでしょうか? 
私のヘリの場合、バラバラの方向からはめ込んでありました。どちらからでも良いなら、そりゃ簡単でありがたいですね。

まあ、それはこれからの作業で明らかになるでしょうけれど、ボールにはめ込む方向があとでわかるようにするためにも、リンケージはサーボホーンにつけたままにすることに決めました。

・・・続きます。






XK K110: サーボ・ホーンの調整 _2

2.サーボ・ホーンの直角(水平)調整

①可変ピッチの XK ヘリコプターには、3つのサーボが使われていますが、それぞれの働きは下のとおりです。前提として頭に入れておいて下さい。

160522_1 サーボ名称


②サーボを調整しやすくするため、各サーボをフレームから外します。断線させないよう気をつけて下さい。

③送信機の電源を入れ、スロットルホールドをオンにします。スロットル出力を 50%(ゼロピッチ)にします。ヘリコプターにバッテリーを接続します。
理想的には、サーボホーンはサーボと直角になっていなければいけません。しかし、ご覧の通りかなり違っています。特に前方のエレベータサーボがひどいです。右後方のピッチサーボがまあ直角に近いですが、左後方のエルロンサーボは良くないです。

160522_2 サーボ調整


④結局、ズレの大きいエレベータサーボとエルロンサーボは、サーボホーンを取り外して付け替えることしました。ピッチサーボはこのままにします。

⑤上記 2つのサーボのサーボホーンの真ん中のネジを回して、サーボホーンを取り外します。そして、できるだけサーボ本体と直角になるように付け直し、元通りにネジ止めします。よほど幸運でないと、完全な直角にはならないと思います。

⑥付け直した結果、エレベータサーボはこんな感じになりました。作業しているうちにリンケージが外れてしまいました。(^_^)

160522_3 サーボ調整


調整後の、左後方のエルロンサーボです。

160522_4 サーボ調整


マイクロヘリのサーボホーンはメカニカルな調整に限界があります。どのサーボも直角になっていませんが、あとは X6 送信機のサブトリム調整によって、さらに直角に近づけて行きます。

私の K110 ヘリコプターの場合、ピッチサーボはまあ良好でした。そこでピッチサーボのリンケージの長さを測ってみました。計測には買ったばかりのデジタルノギスを使いました。

160522_5 サーボ調整


ちょうど、24.0mm ありました。そこで以後のボールリンケージ調整では、24.0mm をリンケージの長さの仮基準とすることにします。


・・・続きます。




【2016年5月24日追加、はまちゃんのコメント】

はまちゃんからのコメントを転載します。 サーボホーンの調整は電源を切ってから行って下さい。

「サーボホーンの調整で、私(管理人注: はまちゃん)の失敗談です。
サーボは調整過程でいろいろ触ることになるのですが、通電させて、バインドした状態でサーボホーンをいじっていたら、ギヤ欠けしてしまいました。
マイクロサーボですので、外的な力が加わると、簡単にギヤを舐めてしまいます。通電していなければなんでもなかったであろうと思います。
面倒でも、ズレを確認、電源を切って調整、その後に通電させて確認、をオススメします。」






XK K110: サーボ・ホーンの調整 _3

重要なことを一つ書き忘れていました。ヘリコプターの調整を行う場合、最後には自分でヘリを操縦して、ヘリを空中の一点に止めて数十秒の間 5秒程度の間、安定ホバリングさせる必要があります。 したがって、それがまだできない人は調整をしないで下さい。中途半端な調整は、かえってヘリを不安定にします。


3.サブトリム調整

ありがたいことに、X6 送信機にはサブトリム調整機能がありますので、これを使ってサーボホーンをさらに直角に近づけましょう。
その前に、予備知識として Futaba 方式のチャンネル順序を確認しておきます。

 1ch ・・・ エルロン
 2ch ・・・ エレベータ
 3ch ・・・ スロットル
 4ch ・・・ ラダー
 5ch ・・・ ジャイロ
 6ch ・・・ ピッチ

3つのサーボが、上のどのチャンネルに対応するかは、次のとおりです。

160524_1 サーボ名称


前方サーボ ・・・ 2ch(エレベータ)
左後方サーボ ・・・ 1ch(エルロン)
右後方サーボ ・・・ 6ch(ピッチ)

1ch、2ch、6ch がサーボです。これらのサブトリムを調整して、各サーボホーンを直角にすれば良いということです。

サブトリム調整の方法は X6 送信機の取扱説明書(10ページ)に書いてあります。が、今回読んでみて驚きました。
完全に間違っています。しかもミスプリントレベル! サブトリムで「MDL.Selを選択」とか「任意のモデル番号を選択」って、なあ~に?
 
あまりにもお粗末!!! せっかくですからハイテックの戒めのために、取説の誤り部分の写真を撮っておきましょう。(大笑)

160524_2 取説サブトリム


笑顔で続けます。(^_^)
X6 送信機のスロットルはゼロピッチの位置にし、スロットルホールドをオンしたままです。この状態でサブトリム調整に入ります。

160524_3 サブトリム調整


サブトリム調整は予想外に時間がかかりました。直角三角定規の一辺をサーボの側面に当て、サーボホーンが直角になるように合わせました。しかし 1回では決まらず、これを 3~4回繰り返して、なんとか直角に近づいたようです。

160524_4 サブトリム調整


結果、私の K110 のサブトリムは、次のようになりました。

前方のエレベータサーボ(2ch)・・・ -50
左後方のエルロンサーボ(1ch)・・・ 55
右後方のピッチサーボ(6ch)・・・・ 20

調整値の最大が 55 になったのですが、前出の取説には「※しかし、ニュートラル調整の際は可能な限りサブトリムは多く使わずに、ホーン取り付け位置調整を優先するようにしてください。」と書いてあります。理由の説明がまったくありません。不親切です。

160524_5 サブトリム調整


Walkera 送信機のマニュアルでは、「サブトリムをあまり大きく調整すると、サーボの最大舵角に影響するので注意せよ。」と書かれていました。
JR の DSX7 送信機のマニュアルは、「サブトリムの可変範囲は最大約30°で、この時、表示は125を示す。もし5°動かしたい時は5/30×125=20、すなわち数字を20位にすれば良い。しかし、大きく動かすとサーボの最大舵角に影響が出るので、できるだけ小幅な調整にせよ。」と書いています。

果たして 55 は許容範囲なんでしょうか? でもこうしないと水平にならないんだから、しょうがないです。仮にエンドポイント(トラベルアジャスト)に影響が出たとしても、私は実際の飛行で大きなピッチ角度を使わないので、おそらく無問題でしょう。気にせずに先に進みます。(笑)

なお、これと同じサブトリム値を、K110 用のモデルメモリ 1 にも設定しました。

以上で、「サーボホーンの直角出し」が終わったので、サーボを元の位置に取り付けて、上からプラスチック部品をかぶせて、ネジで固定しました。

次回は、「スワッシュプレートの水平調整」です。






XK K110: スワッシュプレートの水平調整

XK K110 ヘリコプターの中華英語版マニュアルには、ヘリの調整に関する記述がまったくありません。オモチャのヘリコプターであれば、それでも良いのですが、ホビーレベルのヘリではこれは困ります。
Walkera ヘリコプターのマニュアルに調整方法が一通り書かれていることを思えば、XK はとても残念だと言わざるをえません。RC Groups でも XK のマニュアルは不評ですね。

ということで、前回からの続きです。
サブトリム調整が終わったので、3つのサーボホーンはどれも水平(直角)になっているはずです。であれば、3つのリンケージの長さを同じにすれば、その上に乗るスワッシュプレートは水平になるはずです。

①箱だし状態のリンケージの長さを、デジタルノギスで測ってみました。

前方のエレベータサーボ(2ch)・・・ 23.3mm
左後方のエルロンサーボ(1ch)・・・ 23.5mm
右後方のピッチサーボ(6ch)・・・・ 24.0mm

ここで、ピッチサーボのリンケージの 24.0mmを仮の標準とします。

②3つのボールリンケージの長さを仮標準に合わせます。すなわち、3つのリンケージをすべて 24.0mmの長さに調整します。
リンケージの黒いプラスチック部分を時計回り(右)に回すと短くなり、反時計回り(左)に回すと長くなります。

黒いプラスチック部分を横から見てみましょう。

160525_1 スワッシュ水平


ご覧の通り、左右対称になっていません。これは、リンケージにはボールに差し込む方向が決まっていることを意味します。軸からまっすぐに伸びている方(写真では左側)が、ボールをはめ込む方向でしょう。したがって、リンケージの長さ調整は、ボールをはめ込む方向を意識して、1回転(360度)単位で行うことになります。


③スワッシュプレートを上からシャフトに通して、各リンケージをスワッシュプレートのボールに取り付けます。
横から見ると、前方のサーボが少し上がっていて、スワッシュが水平になっていません。目視でわかるくらいですから調整は必須です。後ろから見ると左右は水平のようです。

スワッシュプレートレベラーを使えば、スワッシュの水平チェックは簡単なのですが、私は持っていません。そこで、結束バンド(インシュロック等) で代用しました。やり方は下の記事を参考にして下さい。

2013年3月25日付記事「安くて簡単なスワッシュプレートの水平確認法」
http://tiger22618.blog104.fc2.com/blog-entry-1644.html


結果、前方サーボのリンケージを 2回転分短くして 23.6mmにしました。これで良さそうです。
要するに、3つのリンケージの長さは同じはずだという、前記推定が間違っていたわけです。このヘリでは、前方サーボのリンケージだけが少し短かめの設計になっています。(^_^)

ピッチ出力 50%
160525_2 スワッシュ水平


ピッチ出力 50%の位置でスワッシュプレートの水平を確認できたら、ピッチ 0%と 100%の位置でもスワッシュ水平の確認を行います。

ピッチ出力 0%
160525_3 スワッシュ水平


ピッチ出力 100%
160525_4 スワッシュ水平


幸い問題なさそうです。ピッチ出力 0%、100%の位置で、スワッシュプレートが水平にならない場合は、エンドポイント(トラベルアジャスト)で調整するのですが、X6 送信機にはエンドポイント調整機能がありません。

どうしてもエンドポイント調整したい場合は、デュアルレート調整を使って、疑似エンドポイントとして調整を行うことになるでしょう。


・・・次回に続きます。






XK K110: ゼロピッチの調整

これまでの作業で、「サーボの直角出し」と「スワッシュプレートの水平化」が終わりました。最後の作業が「ゼロピッチの調整」です。

160526_1 ゼロピッチ調整


ヘリコプターにヘッドとメインブレードを取り付けて、元の姿に戻します。ヘッドはメインシャフトの上から挿入して、ネジ 1本で止めるだけです。

ネジは横から差し込んでメインシャフトを貫通します。この時、ドライバーが磁気を帯びていると、ネジがドライバーの先端にくっついてくれるので、ネジどめ作業がやりやすくなります。XK のドライバーを帯磁させるには、下のような道具を使います。 1分もかからずに、ドライバーを帯磁させることができます。

160526_2 ゼロピッチ調整


マイクロヘリは小さなネジを使うので、この着磁器(マグネタイザー)があると、作業能率が上がると同時にネジを紛失することも防げます。消磁(磁気を取る)も可能です。同様のものが Amazon で購入できます。




話が逸れました。元に戻します。(笑)

スワッシュプレートの内側には、下の写真のように 4つのボールがついています。長いのが 2つと、短いのが 2つです。このボールには、ヘッドの 2つのリンケージをはめ込みますが、普通は長い方のボールにはめ込んで下さい。短い方につなぐとヘリコプターの挙動が敏感になります。

160526_3 ゼロピッチ調整


ヘッドの装着が終わったので、ゼロピッチの確認を行います。
方法は、2016年5月19日付「XK K110: 初飛行前のチェック」で書きましたので、ここでの説明は省略します。わからない人は「XK K110: 初飛行前のチェック」をお読み下さい。

160526_4 ゼロピッチ調整


送信機のスロットルスティック(ピッチ出力)50% の位置で、メインブレードを横から見ると、2枚がぴったり重なる必要がありますが、上の写真のように重なりませんでした。これは、スワッシュプレートの位置(高さ)が適正でないことを意味します。
そこでスティックを上下に動かして、2枚のメインブレードが、ぴったり重なる位置を捜します。はい、この位置です。

160526_5 ゼロピッチ調整


X6 送信機のスロットルスティック(ピッチ出力)は 55% となっています。

160526_6 ゼロピッチ調整


つまり、ピッチ角度が 5% 多いということです。これに対する対策は、3つのリンケージを均等に長くしてやり、スワッシュプレート全体を少し上に並行移動させることです。(50%を下回った場合は逆にリンケージを短くします。)

そこで、リンケージを 3つとも 1回転分、反時計回り(左)に回して長くしてみました(リンケージの長さ調整は 1回転単位で行うこと)。下のようになりました。

160526_7 ゼロピッチ調整


まだ少しズレています。送信機のスティックを動かして確認すると、ピッチ出力 52~ 53% でピタリと重なります。3つのリンケージをもう 1回転分長くしてみます。

160526_8 ゼロピッチ調整


OK です。ゼロピッチ調整の完了です。

スワッシュプレートとゼロピッチの調整では、このように何回もリンケージを外して、はめる作業を繰り返す必要があります。指でやると痛くなります。

しかし、前にご紹介したボールリンケージプライヤーがあると、作業が短時間にかつ簡単にできます。自分で作りたくない人は完成品を買うこともできます。

ヘリモンスターのボールリンケージプライヤー
http://helimonster.jp/?pid=33996807


なお、私はヘリモンスターさんとは何の関係もございません。

関係はございませんし、何度もしつこいと言われるかも知れませんが、ボールリンケージプライヤーは何度でもオススメしたくなるマイクロヘリ用の優れた道具だと思います。(^_^)






XK K110:トラッキングの確認と 6軸モードでの初飛行

本来ならば、次はピッチ角度の調整を行うところですが、とにかく 6Gモードで初飛行して見たいのでピッチ調整は後回しにします。(^_^)

しかし、飛行前にメインブレードのトラッキングの確認をやっておきましょう。トラッキングの説明はここでは省略しますので、詳しくは下のリンクの過去記事をお読み下さい。

「4G3 2号機のトラッキング調整」
http://tiger22618.blog104.fc2.com/blog-entry-99.html


K110 の、スワッシュプレートとメインブレードをつなぐリンケージは、調整できるようにはなっていませんので、おそらくトラッキングのズレが生じないのだとは思いますが、念のために確認しましょう。

X6送信機のモデルメモリは調整用の 0 のままです。モーターを回すのでスロットルホールドは解除します。プロポのスロットル・スティックを一番下にして電源を入れ、次にヘリにバッテリーを繋ぎます。目を守るためにメガネかゴーグルを着けます。

スロットル 50% がゼロピッチですから、この回転では揚力ゼロです。その少し下、スロットル 45% あたりでメインブレードのトラッキングを確認しました。ゆっくりスロットルを上げていけば、ヘリは微動だにしません。

160602_1 トラッキング


ご覧の通り、トラッキングはぴったりでした。メインシャフトの曲がりもありません。OKです。本来ならブレードのバランス調整を行うべきですが、この調子ならやらなくても良さそうです。


次に、X6送信機のモデルメモリ 0 のサブトリム値をモデルメモリ 1 にコピーします。そして、モデルメモリを 1 に切り替えます。モデルメモリ 1 には、K110 RTF のデフォルト設定(下のリンク参照)が入っています。

「ハイテック版 X6 送信機で、Banggood の K110 ヘリとバインド成功。」
http://tiger22618.blog104.fc2.com/blog-date-20160502.html


では、6Gモードで初飛行です。私は昔の苦い経験があるので、ブラシレス機を室内で飛ばすことはありません。少し風がありましたが、外に持ち出しました。

何事もなく離陸しました。ただし、6Gキャリブレーションをやっていないので、機体がドリフトします。そこで、風があったのですが、かまわずに 6Gキャリブレーションを行いました。これで、完全ではないですが、ホバリングがほぼ安定しました(6Gキャリブレーションは、当然ですが風のないところでやる必要があります、今回はあくまでも非常措置です)。

サークル飛行をやってみましたが、素直に飛びます。ホバリング程度であれば、可変ピッチビギナーの方も問題なくできると思います。ただ、ブラシレスですから、それなりにパワフルです。

X6 送信機の操縦感覚も悪くありません。オモチャの送信機とは一線を画します。私は、高価な Futaba送信機に拘らなくても、X6 送信機で十分だと思いました。K110 は、評判通りの良いヘリコプターのようです。

後日あらためて、3Gと 6Gのキャリブレーションをやりたいと思います。






XK K110:マイクロヘリで、サブトリム調整を行うべきか否か。

tiger22流の調整について、これまで7回に分けて書いてきましたが、はまちゃんから「サブトリム調整はしない」というコメントをいただきました。そこで今回は、「XKのマイクロヘリで、サブトリム調整を行うべきか否か」について考えてみたいと思います。


最初に工場出荷時のサーボの状態を考えてみましょう。XKのサーボは回転式です。サーボの動作範囲(回転範囲)を仮に -100~ +100と想定すると、サーボ回転の中心点は 0 の位置になります。このゼロ位置で、ヘリコプターのメインブレードがピッチ角度ゼロになる(ゼロピッチ)こと、つまり、「サーボの中心点がゼロ位置の時にピッチ角度もゼロになる状態」が理想的です。

サブトリム調整というのは、サーボの中心点を電気的に調整して、+側か-側のどちらか一方に一定量ずらすことを言います。たとえば、中心点を-10の位置にずらせば、サーボの動作範囲は -100-10~ +100-10 = -110~ +90 になるのではないでしょうか? もしそうなら、動作範囲が両端(リミット)で不均等になります。これを修正する機能がエンドポイント(トラベルアジャスト)です。この場合ですと、両端を等しくするためには動作範囲を -90~ +90 に調整すれば良いことになります。

ところで今度は、XK K110ヘリコプター(RTF)の工場出荷時の状態を考えてみます。送信機でのサブトリム調整は行いません。工場ではメカニカル(機械的)な調整だけが行われています。
具体的には、①サーボホーンをサーボと直角に取り付ける、②リンケージの長さを調節してスワッシュプレートを水平にする、③リンケージの長さを調節してゼロピッチにする、ということです。

工場でもしこれが完璧に行われていれば、何の問題もありません。しかし、マイクロヘリはもともと精度が高くありません。また中国製ですから、製造品質にはバラツキがかなりあります。私が購入したK110の場合、リンケージの取付方向からして違っていました。(笑)

そこで、XKヘリを購入したらまず工場出荷時の状態をチェックします。そして、正しく設定されていなかった場合は、自分がXKの工場長になったつもりでメカニカル調整をやり直すことになります。

つまり、メカニカル調整だけで、工場出荷時の理想的状態にすることが可能だということです。マイクロヘリはそもそも小さいので、各パーツの精度もほどほどです。電気的に精緻な調整をしなくても、メカニカル調整だけで十分だということでしょう。

実は、はまちゃんだけでなく、私の尊敬するベテランパイロットの石敢當さんも、トリム・サブトリムは一切使用せずにメカニカル調整だけでやっておられます。3D飛行をバリバリやるには、メカニカル調整だけの方が良いとのことです。これはおそらく私には一生理解できない世界のお話です。(^_^)

ラジコンヘリのオーソドックスな調整法では、サブトリム調整とエンドポイント調整、トリム調整を行います。そして、X6送信機にはサブトリム機能がついていますので、私はそのテストを兼ねて今回はサブトリム調整を行なってみました。

ただ、X6送信機はエンドポイント調整ができません。サブトリム調整が中途半端で終わるので、やはりできるだけ使わない方が良いのかも知れません。
また、藪 丈二さんのコメントにありますように、サーボホーンを選別できれば、サーボの直角出しの精度を上げることができますので、サブトリムを使わずに済ませることができると思います。

ということで、まだ結論は出ませんが、少なくともサブトリムを使用しなければ、調整の手順が少し簡略化されることは確かです。お好きな方でやって下さい。






XK K110: ゼロピッチの怪と、ピッチ角度の確認

「XK K110: サーボ・ホーンの調整 _3」の最後に書いたように、私はサブトリム調整が終わった段階で、調整したサブトリム値を K110 用のモデルメモリ 1 にも設定しました。

そして、調整用のモデルメモリ 0 のサブトリムは、すべてゼロに戻しました。これは X6送信機をシミュレータで使うために、やったことでした。

しかしその後、最大と最小のピッチ角度を確認し、実際の飛行時におけるピッチ角度を調整し忘れたことに気づきました。

そこで、再び調整用のモデルメモリ 0 のサブトリムを、下のように調整済みの数値に戻したのです。

前方のエレベータサーボ(2ch)・・・ -50
左後方のエルロンサーボ(1ch)・・・ 55
右後方のピッチサーボ(6ch)・・・・ 20

そして念のためにゼロピッチ時のスロットル(ピッチ出力)を確認すると、48%になりました。ええっ、確か 50%になるように調整したのに! どういうこと?? ちょっと解せない現象です。

で、まず送信機のキャリブレーションを慎重にやり直しました。すると、今度はゼロピッチ時の出力が 47%になったのです・・・。
こうなってくると、電気的な調整というのは善し悪しですね。もちろん、私の最初の調整が誤っていた可能性もゼロではありません。
ボケてたのかも。

・・・とにかく「XK K110: ゼロピッチの調整」をやりなおしました。ピッチ角度が 3%少ないですから、今度は 3本のリンケージを全部 1回転分、時計回り(右)に回して短くしました。すると、51%でゼロピッチになりました。違和感ありますが、まあいいでしょう。



ということで、次のステップ「ピッチ角度の確認」に進みます。角度の計測は次のように行いました。

160607_1 ピッチ角度計測


上の写真のようにヘリの横からブレードに物差しを当てて、机の上からブレード先端までの高さを測ります。2つのブレード端までの高さの差を求め、それの半分がブレードの動作量となります。ピッチ出力が 0%(マイナスピッチの最大)の時と、 51%(ゼロピッチ)の時、100%(プラスピッチの最大)の時を計測しました。単位は mmです。結果は次の表のとおりです。

160607_2 ピッチ角度計測


ここで、XK K110のメインブレードの長さは 105mmです。Walkera Mini CPと同じです。次に上の計測結果 を基にして、ピッチ角度を計算します。
計算には「fly with the windさんのエクセル計算シート」を使わせていただきました。cvlexさん、ありがとうございます。m(_ _)m

そして結果を、cvlexさんのシートに追加記入してみました。こうすると他のヘリとの比較ができます。

160607_3 ピッチ角度計測


ピッチ角度は、プラスマイナス両方とも最大で 19.5度もあります。はは~ん、これがXK K110の運動性能の高さの秘密ですね。しかし私の場合、12度もあれば十分です。
ピッチ出力を変えながらピッチ角度の計測を続けると、出力 20%~ 80%に制限するとプラスマイナス12度~13度程度になります。

デフォルト設定では、6Gモードも 3Gモードもおなじピッチカーブです。というか、モードによって変更できない?
で、ノーマルのピッチカーブは 40-45-50-60-70 です。アイドルアップでは 30-40-50-60-70 となります。どうやら私の腕では、このデフォルト設定がちょうど良いかげんのようです。(笑)

したがって、私は当分デフォルト設定のままで飛ばすことに決定です。






XK K110 のスロットルカーブとピッチカーブについて(藪 丈二さん)

昨日のブログ記事に関して、藪 丈二さんからメールをいただきました。以下にその全文を掲載させていただきます。とてもタイムリーなアドバスです。(^_^)
藪 丈二さん、ありがとうございました。


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おはようございます。

K110の詳細なレビューは、きっとユーザーにとっては大変貴重なバイブルとなることでしょう。

送信機にトラベル・アジャストがないのは玉に傷、扱いにくいですね。

K110の工場出荷時のピッチ角の大きさにはびっくりさせられました。
ブラッシ・モーター(管理人注: K100)だと、ピッチ角を大きくすると負荷が大きくなって、英語でいうところのbogging状態となりますから、角度は小さめにセッティングするのがコツのようです。

ブラシレス・モーター(管理人注: K110、120)の場合は少しはましなのかも知れませんが、それでも通常でしたらピッチ角のMaxMinは、±11~12度で十分でしょう。

私はいつも、スロットルカーブ(TC)、ピッチカーブ(PC)のセッティングには、下図のようなダイヤグラムを作成して行っています。
(管理人注: グラフをクリックすると拡大します。)

160608_1 TCPCダイヤグラム


今回、tiger22さんの測定結果(±19.5度)を利用してダイヤグラムを作成してみました。
左縦軸にピッチ角、右縦軸に出力%、横軸にスティック位置としています。
なお、-19.5度から+19.5度間を100%として、度数 vs %を読み取る訳です。

ちなみに、ピッチ角のMaxMinを±12度とする場合は次の通りになりました。

ピッチカーブ(アイドルアップ)
0%(0):20%・・・・-12度
25%(1/4):35%・・・-6度
50%(2/4):50%・・・±0度
75%(3/4):66%・・・+6.2度
100%(4/4):81%・・・+12度

スロットルカーブもこのダイヤグラムを使用して、好みのピッチ角と出力%を
読み取ることが出来ます。

以上、ご参考まで


2016/6/8 藪 丈二

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